12月24日にボーイソプラノ常滑少年合唱団による
クリスマスコンサートがありました。
2ヶ月間の猛特訓(もっとしたかったな・・・)の結果、なんとか
クリスマスコンサートを開催することが出来ましたのは
ボーイソプラノを応援してくれた方々のご声援があったからこそと
感謝しております。
このコンサートを迎えるまでの子ども達の成長ぶりは
想像を超えておりました。
音楽的なことはもちろん、人間的にも大きく成長
したことと察しております。
子ども達は、男子だけで合唱をすることがどんなことなのか
初回はわからず練習をしておりました。
そのうち、ハモルととても不思議な響きが体を
包むことに気が付いたようです。
おとなしい少年ならば、じっとその場に立って
練習を積み重ねることと思われますが・・・
この5人は違った・・・。
ある意味、なかなか出会えない個性的な
5人だったというのが、全てにおいて
納得できる解釈となります。
ベル・カント唱法を取得しようと
一生懸命発声法を習い歌います。
しかも上手くなろうとくらい付いてきます。
が・・・
目を離すと3秒もしないうちに
プロレスがはじまる・・・。
その時間を音取に費やそう~よ~と
叫ぶも情操豊かな少年たちの耳には
入らない事がわかりました。
これはこの事業の一番大きな収穫でした。
とにかく仲の良くなった5人は
それぞれが個性的であり、秀才であろう者
スポーツ万能であろう者、音楽的才能があろう者
マイペースな者、沈着冷静な者
これらが融合すると、いままで体験できなかった
美しい音楽が産まれました。
発声練習ではハイEを出せるまでになり
ボーイソプラノの映画の中だけの話かと
思っていたのが、目の当たりにできるとは・・・
子どもにはいつも驚かされます。
どの子も、同じものさしでははかれず
その時その時のタイミングをしっかりと
見極め伸ばすことで、大きく成長します。
子ども達にはステージに立つことの意味を
伝えました。自分たちが自己満足で歌うの
ならば、カラオケボックスに行って歌えばよいと
何のためにお客さんが会場に足を運び
常滑少年合唱団の声を聴くのかを考えてもらいました。
そして、合唱団ではありますが、ひとりひとりが
ソロで歌い、お客様の心を豊かにし感動していただける
ようにすることこそ、上達への近道と考え
一人ずつ曲を歌ってもらうことにしました。
このことで、ひとりひとりにマンツーマンで
歌唱指導、発声指導をすることができるようになり
いちはやくハモル事が出来るようになることが
わかりました。
ひとりひとりが、舞台に立つ意味と意義を考え
歌と正面から向き合うことが見て取れましたことは
何にもたとえる事の出来ない歓びでもありました。
子ども達が、舞台で緊張しながらも歌をお客様に
届けようと音楽を奏でる姿は、この知多半島の未来を
担う子どもたちの豊かな情操が育った瞬間でもありました。
次年度は、より多くの地域で、子ども達の音楽を
伝えていきたいと考えております。
少年合唱団は、とても美しい響きを奏でます。
これは変声期前の少年だけが持つ、天から授かった声とも
言われております。
そして、変声期を迎えることは、卒団の時期なのです。
卒団生おめでとう!
このクリスマスコンサートが、一年の集大成として
卒団するものを祝し、新たな道へと進んでいく節目として
次年度も迎えることが出来ることを願っております。
少年たちが、過ごしたこの数年は、社会へ羽ばたく第1歩で
あることを、書き留めておきます。
H27年度常滑少年合唱団 講師 加賀誠二